ユニセフの人が来た

今日、帰宅すると、子どもが、「ママ、今日東京からユニセフの人が来たから、お話聞いて」と言いました。すわ「児童ポルノの話か!」と身構えて、「お風呂でゆっくり聞いてあげるね」ということにしました。


子どもの話によると、「ユニセフの人」は東京から3人来たそうです。
(子どもの話なので、確かではありません。確認はしていません)


娘は、「世界の貧しい国の人たちの水事情の悪さ」や「水汲みが女の子の仕事になっていること」、「ツボに水を入れると14キロもあること」や「タバコの葉っぱを巻く仕事をする子どもが1日12時間働いても55円しかもらえない話」を細部にわたって覚えていて、話してくれました。


ユニセフの人は、そういう国でユニセフが何をしているか、募金が何に使われているかもお話してくれたそうです。


例えば、「100円でできること」として、「ポリオのワクチン6回分」「4〜5リットルの水をきれいにすることができる薬71錠」などは、小学生の子どもたちに配られた「ユニセフ手帳」にも書かれていました。


小学3年生の娘の心に強く響いたようです。


でも、ママは、ちょっと待てよと思いました。


なっちゃんユニセフの人が東京から来るのにいくらかかるか知ってる? 大人だから通常料金で来れば、大体ひとり5万円かかるんだよ。5万円は100円玉何個かわかる? 5万円は100円を500回募金しないと集らないんだよ。今日ユニセフの人が、なっちゃんたちにお話にくるためには、ひとり100円の募金したとして1500人分、なっちゃんの小学校の子どもが全員募金するとしたら、ひとり500円募金しただけのお金がかかるんだよ。」


「『今度ユニセフの人が来たら、あなたたちが今日来るお金があれば、途上国で何ができますか? どうしてそのことにお金を使わずに、こうしてここに来て話をすることにしたんですか?』と聞いてみなさい。」


と、ママは娘に話しました。


今日の話は小学生3年生以上の子どもたちを集めて行われました。


募金を集めるために、啓蒙活動が重要であることは知っています。わたしも、国連のある機関の募金活動を下支えする日本法人で働いたことがあります。それに経費が必要なことも理解します。


日本ユニセフ協会のサイトには、「当協会に寄せられた募金収入・グリーティングカード収入の最大25%までは当協会の国内での募金活動費、啓発宣伝費、管理費等の事業経費とさせていただいております」ということが、きちんと書かれています。


小学校3年生以上の子どもたちなら、十分理解できると思うんです。
話を理解し、細部をうちに帰るまで覚えていられる年齢ですから。
だったら、一歩進んで、「いいことをするためにもお金はかかる」、そういうことも教えてやってほしいなあと思いました。
それをするのは、ユニセフの人の仕事ではないにしろ。


これからの日本を担う子どもにとって、途上国の事情を理解するのと同様に大事なことのような気がします。