隈本さんの提案で、定山渓にて拡大スタッフミーティング。
CoSTEPの授業がスタートして1か月。
サイエンス・カフェ、ラジオ放送、講義、演習、教員一同アイデアを出し合い、工夫を凝らしたカリキュラムが転がり始めた。
しかし、教員それぞれが思い描くコミュニケーター像は必ずしも一致していないかもしれない。普段の会議では具体的な授業の内容を議論する時間しかないから、思い切って、スタッフ一人ひとりが目指すところを語り合おうというのが、主な議題であった。


我々教員は、桃太郎の掲げた御旗のもとに集った。
それぞれ、キジであり、サルであり、犬であり。
目指すは鬼が島。でも、実は鬼が島の位置に関しては、定かではない。
桃太郎さんも、ふと違う角を曲がるかもしれない。嵐で途中進路を変える必要があるかもしれない。だから教員一同で地図を広げ、鬼が島と経路を確認したかったのだ。


科学技術コミュニケーション教育は、今、全国の大学に広がりつつある。それぞれ切り込んでいく鬼が島は違うのかもしれない。そして、掲げる旗も各隊様々。中には、遠くからでは判別不能、見間違うような旗もあるかもしれない。


我々北大CoSTEP旗には、「参加型、双方向性、地域密着、場の創出、多様なコミュニケーター像」と描いてある。これはかすれていないか、別のものに置きかわっていないか。旗を見つけて学びに来た人たちが、実社会の科学技術コミュニケーションに切り込んでいく前に遭難させるわけにはいかない。
かくして、温泉の夜は更けていくのであった。