全学教育「科学・技術と人間の倫理」

毎週火曜日に全学教育として行われている授業に、CoSTEPの隈本さんと難波が参加。
この日までの3週間にわたって学生さんたちは、「雪印乳業低脂肪乳食中毒事件」をケーススタディーとして調査・議論を行ってきていた。
この日は、雪印再建を中心となって担ってきた社員の方がお見えになった。あれから5年
雪印が進めてきた信頼回復のプロセスをお話してくださった。
まったく正直に、「お恥ずかしい話ですが、あの時は…」という話が何度も出てくる。雪印ではその反省に基づいて、事件を風化させないために、全社で事件を振り返る機会を持っているという。

イムリーにもCoSTEPの10月26日の演習で隈本さんが、この食中毒事件をケーススタディーとして取り上げていた。
http://d.hatena.ne.jp/Namba/20051026
授業では、事件が最終的に解決する前に、食中毒の本当の原因は大阪工場じゃないところにあるのではないかと声をあげていた専門家がいたことに言及していた。


雪印の方の講義が終わった後の質疑応答の時間、質問の口火を切った隈本さんからは、事件の詳細な経緯を踏まえた鋭い質問が繰り出された。一つ一つに丁寧に答える雪印の方。事件の当事者と元NHK記者のやり取りを北大の講義室で聞けるとは!

この授業を企画した方々と、北大に隈本さんを呼んでくれた方々と、北大に来てくれた雪印の方と隈本さんに、ありがとう。

生の記者会見、生の当事者の声。迫力が違う。


雪印はなぜ、自分たちで食集毒の発生源を見つけられなかったのか。
もちろん自分たちで、パイプに残っていた牛乳から原因物質を検出するための調査を行っている。しかし、見つけたのは警察だった。なぜ。
「ないと思って探すのと、絶対にあると思って探すのの違いです」

ないと思えば、普通に調べて出なければ終わり。
あると思えば、出るまで、手を変え品を変え探す。


こんな生の声を聞いたこの日の北大生、またとない貴重な経験だと思うよ。
すごい、得したよ。
北大生は、学部のときから、こんないい授業を受けているのか!

この授業、これからも要チェック。