サイコム代表理事さんのブログに「なぜ、研究者はアウトリーチ活動にブログを使わないのか」という問題定義がされました。http://scicom.jp/blog/2005/11/post_11.html
つぶやきおやじさんとは、帰りの地下鉄で少し議論の続きをしたのですが、私のコメントをトラックバックしたいと思います。

コミュニケーションは、それぞれの媒体の特性を知って、適切な媒体を使うことが大切だと思います。
CoSTEPの最初の授業では、そのことを話しました。例えば(あまりいい例ではありませんが)、ご家族を亡くされた知人にお悔やみを述べるのに、ふさわしい媒体は何でしょうか。メールがいいのか、電話がいいのか、手紙がいいのか。知人との親しさにもよります。また、表面上はお悔やみを伝えつつ、実は未亡人となった女性に愛の告白をするなんていう特殊な場合だってあるかもしれません。その場合、どの媒体で伝えるかというのは、目的を達するためには、非常に高度な問題になってきます。
コミュニケーションを仕掛けるときは、誰に、なにを、何の目的で伝えるのかを考えて媒体を選ぶ必要があります。個人が使える媒体は、たくさんあります。お金さえかければ、全国紙のかなり大きなスペースを使うことだってできます。
つぶやきおやじさんは、リアルワールドで、横綱級のアウトリーチをやっております(『かがく探検隊コーステップ第2回』にも登場http://costep.hucc.hokudai.ac.jp/radio.html)。
つぶやきおやじさんがご自分の研究を伝えるときには、相手が、小学生だったり、中学生だったり、大学院生だったり、NHKサイエンスZEROのディレクターだったりする場合、場合に応じて、適切なプレゼンテーションを行っています。
何百人かの固定客を含む、不特定多数が不定期に訪れ、日々更新するというブログという媒体の特性を考えたときに、つぶやきおやじさんがリアルワールドでやっていらっしゃるようなアウトリーチ活動にはなじまないような気がします。