見ず知らずの方からお褒めの言葉

CoSTEPでは、受講生の実習として毎週、科学ラジオ番組を放送している。
タイトルは「かがく探検隊コーステップ」。30分間の子ども向け科学バラエティである。

 番組では「科学ことわざ辞典」「研究室に行ってみよう」「見上げてごらん夜の星を」などのさまざまなコーナーを放送しているが、月に1回、やはりCoSTEPの受講生の実習のひとつであるサイエンスカフェの中身をダイジェストにした「サイエンスカフェ特集」を放送している。
 12月に行ったサイエンスカフェ「サンタのふるさとの科学教育」も、12月17日に放送したが、その放送をpodcastingで聞いた方から、思わぬお褒めの言葉をいただいた。
その方のブログの文章を少し引用させていただこう。




サイエンス・カフェ特集を聞いて…

“かがく探検隊コーステップ”は北海道大学の科学技術コミュニケーター養成ユニット(CoSTEP)が制作した科学バラエティ・ラジオ番組である。主に科学に関する話題を面白く、わかりやすく伝えている。第11回のサイエンス・カフェの内容はとても印象深く、“目からうろこ”状態だった。

そもそも、サイエンス・カフェとは、「科学者がフラっとカフェに寄ってコーヒーを飲みながら科学に関連する話をする」というものらしい。数年前にイギリスで始められたそうで、何とも斬新な試みである。第11回の主な内容はフィンランドの科学教育が世界一ということで、フィンランドでは科学をどのように教えているのかということについて池田文人さんが話をしてくれた。

印象に残った言葉は二つ。
ひとつめは、「TeachingとLearningの違いがわかりますか?」という言葉。日本の先生はTeachingをしているのであってLearningを与えていないという。フィンランドの生徒は自ら発見をすることによって、「学ぶ」という事をしている。それは単に体験することだけでなく、自ら「知識を獲得する」ことがLearningだという。フィンランドでは、葉⇒木⇒森というように連想から発想して、様々な知識を覚えていくというスタイルをとっている。

そういうフィンランドの教育方法に感銘を受けた小学生の母親が、「家庭にフィンランドの学び取り入れるとしたら、どのような方法が考えられますか?」という質問をしていた。印象に残ったふたつめは、この質問の答えで「おしえない」ということだった。

それは、親が「これはこうだから」と決め付けてしまうことの弊害をとても強く感じた。教育の面で大きな影響力を持っている親が、あたりまえのことを「当たり前」だと言ってしまったり、安易に「答え」を教えてしまうことによって、子どもが持っている、自由な発想力や能力をつまむことになるのだと思った。

私も子どもに対して、無意識に「答え」を教えたりしていることがあるよなぁと思い出し、身につまされる想いだった。
 元エントリアドレス⇒http://fivesenses.blog20.fc2.com/blog-entry-83.html



まったく見ず知らずの方に、このようなお褒めの言葉をいただいて、カフェとラジオの実習にかかわったスタッフ・受講生一同、喜びと同時に恐縮しているのだが、こういう出会いがあるのも、サイエンスカフェやラジオ番組などの手段を通じて、なんとか科学技術コミュニケーションを進めていこうと努力していることの賜物といえるのではないだろうか。

「かがく探検隊コーステップ」は、あす12月24日(土)に、年末大特集50分拡大版を放送する予定なので、ぜひそちらも聞いてください。よろしく!
 《札幌市西区コミュニティFM三角山放送局」76.2MHz 午後6時〜》
 《CoSTEPのホームページのラジオ番組の所からpodcastingで聞くこともできます》
(隈本)