プレス

実は今回のミーティングには私は参加費無料で出席している。まともに登録すれば4万円ぐらいかかるようだった。現在私は、ライティング(ジャーナリズム)に関係する講座を教えていて、サイエンスライターでもあると申し出たところ、プレス登録に該当するということでただになった。(ただし、これまでに書いた記事を2,3送る必要があった)
プレスは参加費がただ(無料)。これは日本でもよくあることだ。でも、私はこの仕組みについて、これまでいつも苦々しく思っていた。なぜなら、日本ではプレス登録は、過去の実績でなされるのでなく、「どこの組織(会社)に属しているか」で判別されるからだ。フリーランスで、どこかの会社の頼まれ仕事でなく、自分の関心で参加すると、事前に申込をしていたのに、会場に行ってみたら、「主婦」として登録されていたこともあった(お役所系の講演会)。会社が丸抱えで、その人のすべて保障してくれる時代は終わったのではなかったのか・・・。
ところで、今回、AAASの学会で、プレスのレセプションに参加してみて、どういう人がプレス登録をしているのか、調査してみた。みなが胸にぶら下げている名札を見ると、いるいる。「フリーランス」というのも、ちゃんとプレスホルダーになっている。そして、私がお友達になった、高校の先生は、学校新聞を発行しているので、プレス登録できたそうだ。なんと公平な!
その人がどこの組織に属しているかではなく、サイエンスにかかわり、過去に(どのくらい過去かは不明だったが)記事を書いた実績があれば、どんな人も、等しくプレス登録できるのだ。
プレスは、どこに行っても、優遇される。仕事をするスペースをもらえたり、そこで、簡単な食事を取ることができたり、会費を免除されたり。しかし、その基準が納得できるものでなければ、一部の人を肩書きで優遇するにすぎなくなってしまう。
だれが市民のために伝えるのか。プレス優遇のスタイルだけ輸入した日本とは大違いのアメリカであった。日本は、開催者側に判断能力がないから、会社に所属している人間だけが、危なげない人、当たり障りない人として、ろ過される。「カイシャ」ってそんなに無条件で、信頼されるべきものなのか!?
昨日の報告では、日本にも、クライアントとジャーナリスト(ライター、PR)がマッチングできるような場(学会)を作ってほしいと書いた。そこでのプレス登録は、ぜひ、フリーランスにも公平に開かれたものにしてほしい。そんなことを、未来館の科学技術スペシャリストからJSTにこのたび移る長神さんに話したら、「記者クラブの抵抗にあいそう」と言われちゃった。そうかもね。