出来事のかたち展act.4

多摩美術大学情報デザイン学科の学生さんの作品展示会である。今後のメディアと情報デザインの可能性を感じさせる、大変楽しい作品が多数見られた。

例えば、「旅の経験をいかにデザインするか」をテーマにした作品群。旅先でのちょっとした「寄り道」を提案するカード発行システムなんかは、実際に使ってみたいと思わせるものだった。

また、来場者がお気に入りの展示作品やその日印象に残った出来事を携帯で撮影し、コメントとともにメール配信し、その結果をウェブ上で一覧できる、という面白い試みがなされていた。

デザイン学科なのだから、イラストを書いたりCGやwebサイトをデザインしたり、模型を組み立てたり、というスキルには当然優れているが、それだけではない。「情報」をデザインするには、その受け手である人間のこと、人間の体験のことを、深く突き詰めて理解しないといけないのだ。旅の経験をサポートするメディアを開発する場合、まず「我々人間にとって旅とはどんな価値を持った、どんな体験なのか?」というところから問い始めなければならない。どれほど情報の受け手に対する「想像力」を持ちうるかが勝負だ。

科学技術コミュニケーションと、深いところで共通しているのではないだろうか?