読者からのお便り

私は、今年、北海道新聞の「私の新聞評」というコーナーを4ヶ月に一度書かせていただいております。東京で朝日や読売や毎日を読んでいる方にはわからないかもしれないですが、北海道においては、北海道新聞は、他の全国紙に圧倒的な差をつけて愛読者を持っている新聞なのです。(2006年5月で121万2000部近くを発行しているそうです。ちなみに北海道の世帯数は2006年3月の統計では258万世帯でした)

その新聞におこがましくも北海道新参者の私が新聞評を書かせていただくのは、とても緊張いたします。編集委員の方には、繰り返し「辛口で」と依頼されるので、できるだけ辛口で書こうとするのですが、もともとけなすよりほめる記事を得意とする私が辛口で書こうとすると、変なところに力が入ってしまって、どうもすっきり書けないのです。

一回目は今年2月に書き、2回目が6月にまわってきました。今回は5月一ヶ月の道新の新聞記事の中から、秋田の殺人事件報道についてと、メタボリックシンドロームの報道について、ご意見を申し上げました。一回目の2月は、特におしかりなどのご連絡はありませんでした。

そして、今日、担当編集委員の方から、「『ファンレター』が届いていますよ」と直筆のお手紙を添えて、読者から届いたお便り2通が送られてきたのです。「新聞のような大部数の発行物に記事を載せるのは、恐ろしい」と私がこぼしていたので、編集委員の方は「読者にはいろんな人がいるから気にするな」との温かいお手紙を添えてくれたのでした。

どきどきしながら、読者のお便りを開いてみると、2通とも、「共感しました」とのお言葉で始まっており、「楽しみにしています」と励ましのお言葉までもが書かれていました。読者に共感していただける、そしてお便りまでいただける。書き手として、ほんとにうれしいことです。おしかりの言葉もまた、励みになりますが、やっぱり、よかった、おもしろかったと言ってもらうほど元気が出ることはありません。だから私も、よかった、おもしろかったと、感じたことを書く書き手でいたいと思っています。