科学とにせ科学

ユニットの栃内さんから、情報をいただきました。

来年の物理学会年次大会(愛媛県松山大学)で、
『「ニセ科学」とどう向き合っていくか?』というテーマで
シンポジウムが行われるそうです。

http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/events/JPSsympo0306.html

このシンポジウムの案内にも取り上げられている、「水からの伝言
の問題に関しては、CoSTEPの受講生が記事を書いています。
トンデモ科学への対応

札幌市と札幌市教育委員会が後援して、水の結晶の写真展をやったのですが、そこに、水に「ありがとう」などのいい言葉をかけてやるときれいな結晶ができるというような内容の説を唱えている人を講師として呼ぶということがあったようです。
(このイベントには、CoSTEPがラジオ番組制作で協力を仰いでいる、さっぽろ村コミュニティー工房も関わっており、問題の根深さを感じます)


これまで、一般的に、「えせ科学」「疑似科学」「トンデモ科学」などと感じるものについて、科学者は「まともな科学者が相手にするべきでない」という理由なのか、表立って批判することが少ないように感じました。


また、一般向けに科学(トンデモ科学)をわかりやすく、面白おかしく書いた本についても、科学者は表立って批判をしていないように思います。そういった本の中には、非常に商業的に成功していて、上述の例のように「教育委員会のお墨付き」で、著者が講演会をやったりして、どんどん広まるものもありました。また、高名なジャーナリストの著書でも、記述がおかしいと一部に批判の声があるものもあります。


相手にしないというのは、科学者の批判として、スマートなスタンスかもしれませんが、一般の人の中には、科学者の黙殺は、「肯定」と受け取る人もいるでしょう。


どうでしょう、科学者の皆さん、毎年の年会で、その年、その分野で発表された巷をにぎわした「にせ科学」について議論して、学会としての公式声明をだしては。うまくプレスリリースを出して、メディアで取り上げられれば、学会の宣伝にもなるし、関心を持った市民が、そのセッションには参加するようになるかもしれません。国民の科学リテラシーの向上にも、大きく貢献すると思います。