ワークショップ演習(中野民夫先生)

演習Ⅱ(場の創出と実演)の中の,「ファシリテーション・スキルおよびワークショップ企画実践法1」の授業。ワークショップ企画プロデューサーの中野民夫先生を東京からお迎えして,4時間の授業をしていただきました。中野先生のファシリテーションで受講生がワークショップを体験しながら,ワークショップの企画・運営,ファシリテーションについて学ぶ授業です。

まずは会場のSCS教室の机を左右に片づけ,椅子だけを円形に並べて座り,フリップボードを使って自己紹介をしました。「札幌のおススメは?」「(自分の)仕事/活動」などのお題で,一人ずつ話します。授業開始から1時間――。空間のデザイン(椅子や机の並べ方)を変え,また問いを工夫することで,場がどんどん暖まっていくのを多くの参加者が実感していたようでした。

その後,お茶とお菓子をとりながら休憩(ワークショップは休憩時間が盛り上がる,リフレッシュメントも肝心。これも今日の授業の大事なメッセージでした)。そのうえで,約1時間ほど,そもそもワークショップとは何か? その歴史は? などのお話(ミニ講義)を聞きました。そして,ふたたびワークショップ体験へ。

今度は,2人組で相互インタビュー。サポーターや見学の教員・スタッフも含めて全員が参加して,一人10分間ずつ,「CoSTEPに参加したきっかけ,期待したもの」「今のところ,どんな感じ」「CoSTEPで学んだことをどう生かすつもりか」などをインタビューし合いました。

その内容を十数分間で,各自がA4判1枚の紙にまとめます。そして,今度は6人のグループをつくり,まとめた原稿を使って「他己紹介」。2人組でしゃべって,聴いて,1人で書いて,そして今度は,6人組でしゃべって,聴いて。全体で進めていたら,大半の人は聴くだけに終わってしまうところですが,1人,2人,6人という異なるグループサイズをうまく組み合わせ,使い分けることによって,正味50分間で,これだけの事ができてしまうという体験でした。

そして締めくくりは,ファシリテーションをテーマに30分間ほどのミニ講義でした。中野先生によれば,よきファシリテーターの最大の条件は「人と場とプロセスを信頼すること」。最後に示された「ファシリテーター8か条」は,それまで4時間,中野先生のファシリテーションのもとで学んできた参加者にとって,深く納得のいく印象深いものだったようです。

この「8か条」は,中野先生の『ファシリテーション革命――参加型の場づくりの技法』(岩波アクティブ新書)に詳しく展開されています。演習に参加された方も,そうでない方も,ぜひ参照してください。

最後に,4時間をふりかえって各自が感想文を書き,おひらきとなりました。感想文を拝見しましたが,受講生の皆さんに思い思いのお土産を持って帰っていただけたようです。ぜひそれを,それぞれの課題や現場において生かしていただければと思います。

ファシリテーション・スキルおよびワークショップ企画実践法」の第2回目は,12月23日。ファシリテーターの庄嶋孝広先生(東京ランポ)をお迎えして行います。(三上)