Takky ハワイでうける!

今日は、ハワイ島ヒロにある、すばる天文台のオフィスのセミナーで、スピーチをさせていただきました。発表の中身はCoSTEPのこの半年間のことです。事前に十分な準備をする時間がなかったので、それぞれの実習担当教員の作った資料をつぎはぎさせていただき発表資料としました。特に、先日北大で行われたハワイ大学とのジョイントシンポジウムで使われた隈本さんの資料は、たいへんありがたいものでした。いきおい、私の報告も、ラジオ実習を中心としたものになってしまいましたが、CoSTEPの掲げている、実践的(ライティング)、地域に根ざした(Web、ラジオ)、場の創造(出前授業、カフェ)という目標を、それぞれの実習を例に挙げて説明しました。
で、やっぱりここでも笑いを取ってくれたのは、「タッキーのやさしいんぐりっしゅ」。
すばるの日本人スタッフの方たちに、大いに気に入っていただけたという感触を持ちました。(日本語を解さないスタッフにはいまいちこの面白さは伝えきれなかった。すまないタッキー)
「耳」を取り上げた回をお聞かせしましたが、タッキーは相変わらずつまらない(?)ギャグを言ったあとに、自虐的にハハっと笑います。この味は、タッキーにしか出せないと思います。今後はすばるの皆さんのお気に入りに「かがく探検隊コーステップ」が登録されるのではないでしょうか。

このセミナーでの発表は、今回の出張、前半の山場でした。原稿を書いて、何度か練習したスピーチの合間に、容赦なく、質問が入って、それにはたどたどしく英語で答えたものの、自分がどこを読んでいたかわからなくなってしまいました。しかし、タッキーがうけをとってくれたおかげで、リラックスすることができ、その後のスピーチも滑らかに話すことができました。

発表後の質疑応答で、アメリカも、日本も科学コミュニケーションについて、抱えている悩みは近いということがわかりました。最後の質問となった、「あなたたちがやっている科学コミュニケーションの成果は、どう評価するのか。評価がきちんと行われなければ、ただの自己満足にすぎない」というのは、厳しいですが、親身の批判と思いました。
我々は自分たちでやるコミュニケーションについて、自分たちで評価の方法も考えていかなければならないということです。
これまで、研究については「日本は評価の方法を持たない。新聞に何回でたか、何回マスコミに取り上げられたかという評価基準しかない」というようなことを、よく耳にしてきました。旧来の評価基準に頼るのでなく、だれもが納得できる、測定法を考えなくてはいけないのだと思います。
そこで、ぶち当たるのは、その評価が正しい評価なのかの評価も行われなくてはいけないのではないかという疑問です。そうなると、堂々巡りになるのかな。
セミナーに出席していただいた方からは、「大学教育での科学コミュニケーションのとりくみは始まったばかりなのだから、評価についてはこれからでしょう」という優しいお言葉をいただきました。それに対して、「まずは、その場に集った、科学者、コミュニケーター、市民がそれぞれ楽しかったら成功かもしれない。それ自体が新しい試みだから」と私は答えました。実際、これまでのCoSTEPのさまざまな試みにおいて、また、私自身の科学コミュニケーターの活動において、3者はHappyだったのでしょうか。
いろいろ反省が、あります。

アメリカ本土でも引き続き、このevaluateの問題を考えてみたいと思います。

明日はいよいよ、憧れのマウナケア登頂と、ヒロに新しくできた、地元市民還元型の天文学広報センターの見学です。すばるのスタッフの皆さんに、たいへんお世話になっております。