オープニングワークショップ

5月3日・4日と、2006年度のCoSTEP開講式ならびに、杉山さん、特任教員による最初の授業が行われた。
連休中にも関わらず道内外から集まった、四十数名の受講生のみなさんの意気込みがひしひしと伝わってくる二日間だった。


4日の午後は、全員参加のオープニングワークショップを実施した。
私の準備不足と段取りの悪さのせいで受講生のみなさんにはかなりバタバタしたところを見せてしまったが、みなさんの個性と熱気とアイディアがぶつかり合う、刺激的な二時間(実際には延長して二時間半)だったと思う。


ワークショップのテーマは、「このチームで何が出来るか?」。


4〜6名のチームに分かれ、まずはチーム内でメンバーの自己紹介を行った。
特に、「自分には何が出来るか」「科学技術コミュニケーションの分野で自分は何がやりたいのか」をアピールしてもらった。


次に、それぞれの自己紹介の内容をふまえて、チームのメンバーの特性を活かした「プロジェクト」を企画するためのディスカッションをしてもらった。


企画に結びつける、という「目的を持った自己紹介」なので、話す方もそれを意識する必要があるし、聞く方もしっかり聞いていないと次の議論ができない。そういう効果を狙ったものだ。


一方、プロジェクトを企画する際は、自分たちがプロジェクトの当事者になるのだから、全くの理想論、絵空事を語るわけにはいかない。「世界的に有名な科学者と世界的に有名なクリエイターを起用して、最高のチームでこのプロジェクトを、、」と言った話をしても仕方がなく、今いるメンバーで何が出来るか、という目標に集中して取り組む必要が出てくる。


このことで、当事者意識を持って、身の回りにいる人材を上手く活かしながらプロジェクトを現実化していく、というマインドの大切さに気づいてもらうことを意図した。


このように、「自己紹介」と「プロジェクト企画についてのディスカッション」を有機的に結びつけることにより、普通の自己紹介より一歩踏み込んだ自己紹介、一般論としてのディスカッションよりも当事者意識に裏打ちされた現実的なディスカッションができるのではないかと考えた。


ワークショップの最後に行った企画プレゼンテーションでは、初対面のチームによる短時間の作業だったにもかかわらず、ユニークな企画、実現性の高い企画が次々と登場した。また、このワークショップによって受講生のみなさん同士、そしてスタッフとの距離もかなり縮まったのではないかと思う。


先に挙げたような目的が果たしてどこまで達成されたかは、受講生のみなさんのご意見を待ちたい。まだまだ不十分なところも多かったと思うので、次回のワークショップの反省材料にしたいと思う。


いずれにしても、このワークショップをふくむ二日間の授業が、これから一年間CoSTEPに関わっていく受講生のみなさんにとって、ポジティブなきっかけをもたらすものになってくれればと、強く願うばかりだ。(石村)