札医大に取材

Namba2006-05-25

(この記事は、25日を振り返って29日に書いています)

昨年度の受講生、本年度の本科生、選科生合同チームで、
札幌医大に取材実習に行ってきました。

インタビュー・スキルというのは、コミュニケーターとして非常に重要で、
いろんな場面で使えるスキルだと、難波は注目しています。

27日の森健先生の授業でもお話がありましたが、
これだけ何でもインターネットで情報を拾える時代だからこそ、
人に会って引き出した、まだどこにも発表されていない情報が価値を持ってきます。

インタビューのスキルは、記事を書くときにだけ必要なものではありません。
サイエンス・カフェのために当日の話題提供者と事前にどんな話をするか打ち合わせをするとき、
その人の仕事の一番おもしろい部分やその人が気づいていない重要な部分を引き出すのに必要です。
ファシリテーターとして、参加者と話者をつなぐ際にも必要です。
そう考えて、このインタビューツアーに参加してくれた、カフェ実習の本科生の人もいました。


取材相手との対話から生まれる、そのインタビューアーだから引き出せる、
その場だから出るコメント。

そういうものを引き出すために、我々記者は、わざわざ忙しい人に時間を割いていただいて、
会いに行きます。

インタビューは、いきなり初めてでうまくできるものではありません。
私自身は、自分もインタビュー取材をしつつ、雑誌の編集者として、数多くのライターさんの取材に同席し、
インタビューの仕方を身につけてきました。

これをCoSTEPの受講生の皆さんにも、ぜひ体得していただいて、科学コミュニケーション活動や
お仕事の中で大いに利用していただきたいと考えています。

しかし、実際には、相手の必要なことなので、これまでなかなか取材見学の機会を作れずにいました。
CoSTEPの実習は模擬的なものではなく、実際に社会の現場で行うことを大切にしています。
インタビューの実習も模擬的に教室に誰かに来ていただいて、インタビューの練習のために行うのではなく、
実際に何かの必要があって設定されたインタビュー取材の現場を見学用に設けたいと思い、
それが今回やっと、実現しました。


ある雑誌に記事を依頼されたので、そのためのインタビューに見学者希望者を募りました。
予定していたより多くの方から参加希望がありましたので、抽選とさせていただきました。
参加していただけなかった方には、次の時に優先的にお声をおかけしたいと思います。

今回の取材は、専門誌からの依頼でしたので、この分野に特に関心の強い人以外にはわかりにくい
インタビューだったかもしれません。
しかし、取材先の先生には、大人数にも関わらず全員分のコピーを
用意していただいたり、大変暖かく迎えていただきました。

人と楽しく雑談できることも、インタビューには大切ですが、もちろんそれだけでは
インタビュー取材は成立しません。
聞きにくいことも聞いたり、時間内にうまく話を進行したり、目的(この場合は記事を書くことでしたが)の
ために必要な情報を聞き出し、自分の勉強していった以上のことを聞かなくてはいけないし、
疑問点も解消してこなくてはいけません。
これを、初対面の人との短時間の会話の中でやるので、
話に集中しつつも、常に、まだ何ができていなくて、後どれくらい時間があるのかを、
冷静に考え続けている必要があります。

そういったことを、インタビュー取材を実際に体験してみる(今回は見学だけでしたが)なかで、
場慣れして、スムーズにできるようになってほしいと思っています。

取材終了後、札幌医大のそばの人気のパン屋さんのそばで記念撮影。
(この前に解散したので、参加者全員ではありません。先にお帰りになった方、
すいませんでした)

みなさん、思い思いに焼きたてのパンを買って、帰りました。
(難波)