ウェストサイズで診断する病気って・・・?

北大は学園祭中です。

メインストリートは、各国料理の屋台でにぎわっています。

北大には、80カ国から800人の留学生が来ているそうです。


お昼は我々教員たちも、屋台ストリートをぶらついて、

お腹を満たしました。


ところで、難波は今年、とある新聞の新聞評委員をやらせていただいております。4ヶ月に一回、一ヶ月分の新聞をくまなく読んで、批評を送ります。ここ数日5月の新聞の切り抜きを夜な夜なやっておりました。その中で気になったのが、「メタボリック症候群」という新しい病気です。

5月9日、厚生労働省が行った調査の結果、メタボリック症候群の人が40歳−74歳の男性で25%にも上るというような記事が各紙で大きく扱われました。ところが、このメタボリック症候群、どういう病気かというと、診断基準に、まずはウェストが男性で85センチ以上(女性は90センチ以上)というのが、診断の前提になるというのです。言うまでもなく、人間には背が高い人も、体格ががっしりした人も、そうでないひとも、いろんな人がいます。それなのに、一律のウェストサイズが病気の診断の基準になるなんて、素人の私から見たら、????な病気なのです。


もちろん、ウェストだけで決めるのではなくて、血圧や、血糖、血中脂質などを測定するのですが、基本的には、「内臓脂肪型の肥満の人は、いわゆる成人病になりやすいから、ひとくくりにして“病気”ということにしちゃおう」というのが、このメタボリック症候群という病気です。日本内科学会などが診断基準を決めています。

この新しくできたばかりの病気について、新聞各社一斉に報道しておりました。ところがです。医療ジャーナリストの粥川準二さんに教えていただいたのですが、メタボリックシンドロームは、米国、欧州の学会では、「心血管疾患の指標としては疑わしい」と否定的な声明が出されているのです。そして、この件について、民主党の議員さんが厚生労働委員会で5月10日に質問をしたのですが、それを報道したのは、私の調べた限り、朝日新聞1紙でした。

乱暴な言い方かもしれませんが、病気かどうかは、体調が悪いか、生活に支障を来しているかを考えて自分が決めることなのではないでしょうか。一律のウェストサイズを指標に使う病気なんて、なんか受け入れがたいと思いませんか? そういう素人の感覚を持って、他の意見はないのかな? こんな耳慣れない病気、何でわざわざ新しく作ったんだろう?って、取材して記事を書く記者さんはいないのでしょうか。

そういうのこそ、日々信頼して読んでいる新聞で取材してほしいって、読者は思いますよね。お役所の発表も大事だけど。

(難波)