ブランコでゆらゆら

北海道はずいぶん日が長くなってきました。

私(難波)の子供は、最近補助なしの自転車に乗れるようになったのがうれしくて、
毎日学童と保育所から帰ってきたら、公園に自転車に乗りに行きたいと言います。
今日は、日暮れ前のわずかな時間ですが、子供と一緒に公園に行きました。

子供が遊んでいる間、久しぶりにブランコに乗ってみました。
大人になってブランコに乗ると酔います。
子供のときには、全然平気だったのに。

そんなときに、子供の無限の可能性と適応能力の高さを思います。
そして、大人になって失ってしまったことが他にもあるんだろうなと思います。


ブランコを揺らしながら、本を読みました。
山田ズーニーさんが書いた「大人の小論文教室。Ⅲ 17歳は2回くる」です。
ほぼ日刊イトイ新聞」というサイトに連載した人気コラムの一部を収録したものです。このコラムは、昨年の受講生の一人に教えてもらいました。
「Ⅲ」と言うことですので、「Ⅰ」と「Ⅱ」があるわけですが、一巻は「自分を表現する力」、二巻は「人とつながる力」、三巻は「自分の潜在能力を生かす思考法」がテーマになっていると「はじめに」に書いてありました。


私は、「17歳は2回くる」というタイトルに惹かれて、この本を手に取りました。
ズーニーさんは、「自分を生きよう」として、「いままで何十年築き上げてきた自分や習慣を、一度解体」しようとしている人を「大人の思春期」と呼んでいます。ズーニーさんは16年近く勤めた会社を辞めたときに、2回目の17歳が来たそうです。そして、3回目も来そうだと書いています。

この本には、物作りをしているときに感じる絶望感や、「みんなの考え方ではなく、自分の頭を動かして、自分で考えようと思ったとき」に訪れる孤独感についても、書かれています。「人に伝わるものを書こうと思ったら、孤独とはよくつきあわなければいけない」とも書かれています。


私もかつて、わずか3年しか勤めませんでしたが、ズーニーさんと同じように、組織を離れて、自分でやってみようと船を飛び降りました。私の場合は、それ以来、ずーっと長い17歳をやっているようでもあります。(つまり成長していません)

でも、孤独には慣れました。孤独から何かを作り上げることに、慣れました。


この本の「2001航海時代」という項を読んで、それは、私が孤独に悩んでいた頃に友人が手紙に書いて送ってくれたものだと気づきました。当時の私は、それを読んでも胸がきりきり痛んだのですが、今日は、青いまま暮れなずむ空を見上げて、すがすがしい気持ちでした。


「小論文教室」とはいうものの、あなたにとって、文章を書くのに直接役立つかはわかりません。しかし、ときには、ブランコに腰掛けて、「悩みは可能性だ」と書き始められた本を読むのも、いいかもしれません。
(難波)