福間さんの感想

青空教室ではたいへん有意義な経験をすることが出来ました。


加藤さんの自然林の季節ごとの写真は、並べて見るといろいろな事がわかり、たいへん面白いなと感じました。竪穴式住居跡も、実際に教えてもらわないと気づかないですね。勉強になりました。


私が思っていた以上に小学生のパワーはすごかったですね。自分の知っていることや興味が向いたことは質問(というか先生話を聞いて!という感じでしょうか)があり、ちょっと、たじろいでしまいました。


小学生に話をする場合、科学知識を教えるという技術だけでなく、子供が興味を持つように話しかけたり、普通の会話をするといったあしらい方も重要なコミュニケーションになるのだなと感じました。


小学生の様子を見ていると、環境から何かを感じたり、という関心の持ち方は弱かったのかなと思います。目の前にすでに見えているもの、実体があるものに興味を持ち、特に自分が知っていることと関連があることや、はっきりとわかりやすいことに強い関心を持つ傾向があると思いました。


用意していた葉っぱも、本当は北大なので「ハルニレ」に興味を持ってもらいたかったのですが、子供に人気があったのは、イタヤカエデやイチョウなど、形の特徴がはっきりしていた葉っぱでした。


このため、今回の「葉っぱを探してみよう」は、こちらが用意した葉に意識が集中しすぎてクイズの要素が強くなり、葉の見分け方(図鑑の使い方)や、実際に生えている樹木を見ながら、樹木の生えている立地環境などを語るといった、科学知識的な方向へ話を発展させることが足りなかったかなと感じてます。もう少し、「自然の見方」について教えてあげればよかったと思います。


「クイズ葉っぱを探してみよう」に子どもたちは夢中


例えば、何を観察したら(土地の高い低いや、林の下に生えている植物の多さなど)、そこから何がわかる(生えている木の種類の違い、林の季節変化などの、できれば原因と結果や時間変化のような、即物的ではない抽象的な概念の話し)のか、をもう少し工夫できたら、より授業っぽくなったと思います。


博物館では、エゾオオカミよりもウミガメやイタチなど、自分たちが知っている動物に興味を持ってたようでした。「エゾオオカミは人間が絶滅させた」という説明に、「しょうがないんじゃない」という回答が返り、そこで言葉に詰まってしまいました。
オオカミがいなくなってエゾシカが増えすぎ、樹木や草が食べられすぎて、問題になっているという話をできれば良かったのですが、難しくなりそうだったので、説明をやめてしまったことが残念です。


また、博物館の周りでは樹木の根元が腐って穴があいているのを見つけたり、針葉樹の松ヤニを見つけたりと、いろいろと子供達が発見していました。ひょっとしたら、植物園内を連れ歩きすぎて子供達に周りを観察する時間を十分与えてあげられなかったのかもしれません。


以上、私の感想です。
今回の案内を通して、北大植物園は工夫をするといろいろな解説ができるのではと感じました。小学生だけでなく、大人向け、旅行者向け、海外からの旅行者向けなども考えるとおもしろそうですよね。