加藤さんの感想

北大総合博物館の加藤です。
私もとても良い経験をできたと思っています。


これまでに、博物館展示の前で解説をする機会はあったのでそれなりに話すことに慣れていると思っていましたが、博物館という限りのある空間と比べて、植物園のような広がりのある空間では目の前のものに興味を持たせるということがまず難しいのだなぁ、と感じました。
そして、難波先生も福間さんもご指摘のように、今目の前にあるものの時間的背景やそこから読み取れるものなど、抽象的なことにまで考えをいたらす、ということは子どもには少し難しいのかもしれないと思いました。



実際に、私自身が植物の季節変化に関心を持つようになったのは、植物園在籍中に自然林のフェノロジー調査を2日に1度行って、自分の目で変化を見てきたことがきっかけだったと思うので…。


福間さんが用意してくださった葉っぱのラミネートは、葉の形をじっくり見てもらったり、勉強したお土産として持って帰ることができたのが良かったと思います。


ミズナラの葉を持っていた子どもが図鑑で名前を調べていたときに、コナラとミズナラの葉の違い(葉柄の長さ)を図鑑で教えられたり、エゾイタヤの葉を持っていた子どもが、モミジ、クロビイタヤなど、一見すると似ているけれど少し違う形をきちんと見ていたりしたのが印象に残りました。


台風で倒れた木の根を解説する加藤さん


案内中、子どもたちのパワーに圧倒されっぱなしでした。
福間さんが書かれていた、
> 小学生に話をする場合、科学知識を教えるという技術だけ
> でなく、子供が興味を持つように話しかけたり、普通の会話をする
> といったあしらい方も重要なコミュニケーションになるのだな
> と感じました。
というのは、本当にそうだと思いました。
子どもたちの話(今回の場合、植物園に関係あろうがなかろうが)をこちらが聞くことで、子どもたちもこちらの話を聞いてくれる、つまりそれが一方的ではない、コミュニケーションなのかな、と漠然と感じています。


話が行ったり来たりしてしまいましたが、このような感想を持ちました。最初にも書きましたが、当初想像していたよりも大変ではありましたが、その分学ぶところの多い経験をさせてもらえたと思っています。
これから、博物館で子ども向けのイベントなどを考える際にも参考にしたいと考えています。