すべての芸術は音楽を目指す

「すべての芸術は音楽を目指す」ということばがあるらしい。


一橋論叢1998年3月号に載っている河村錠一郎さんの「研究ノート」によれば、19世紀後半の文学者や美術家たちが、音楽という表現システムの相異と類似を意識して発した言葉だという。


これを教えてくれた、作家でありイラストレーターであり音楽家である友人によれば、
「やっぱ、ライブじゃん」ということだった。


どんなにCDが売れるミュージシャンも、ライブは大事にする。演奏する者も鑑賞する者も、一つの場に集まり、同じ時を共有する。作品が作られていく過程に、みんなが関与する。その高揚感が音楽という芸術にはあるということなのだ。


7月5日は、本年度CoSTEP全受講生を対象として、特別授業を行った。
前半は写真の取り方の演習。
後半はインタビュー取材の仕方の演習。

フリーカメラマンの中村健太さんほか、3名の教員で、23名の受講生と正面から組み合っての授業だった。


前半は北大キャンパスを撮影し、一人3点、中村さんに講評してもらった。後半は、3人の教員がそれぞれ別の教員に対して20分のインタビューを行い、その内容をメモにとってもらうという演習だった。


教員は短い時間に、持てるワザと経験をデモンストレートしなければならない。
その実技は、プロ同士、表現手法がしのぎを削るような場面もあり、教員同士もまた、非常に勉強になる授業だった。


CoSTEPでは、教室に高揚感と緊迫感が漲り、参加者の顔が紅潮してくるような授業がある。参加者全員の授業に向かう熱意の相乗効果で、場が作られていく。昨日の授業はそんな授業だった。


音楽はなかったけど、
やっぱライブじゃん。
そんな授業だった。
参加してくれたすべてのみなさん、お疲れさまでした。ありがとう。